看護師のAI活用例6選|集中治療室の看護師が実際に使っている方法と注意点

看護師のAI活用例6選|集中治療室の看護師が実際に使っている方法と注意点 業務スキル・現場ノウハウ

「看護師の仕事にAIって使えるの?」
「ほかの看護師はAIをどう使っているの?」

など気になっている方のために、看護師のAI活用例を解説します。

看護師がAIを個人で使えるのは、調べものや書類づくりなど、患者さんに直接関わらない仕事です。
私自身も急変シミュレーションの振り返りを毎回手作業で記入していましたが、30分以上かかっていた作業時間が10分程度に減りました。

この記事では看護師のAI活用例を、集中治療室で働く現役看護師の私が実際に使っている方法と注意点を交えて解説します。

看護師がAIを個人で使えるのは、患者さんに直接関わらない仕事

看護師がAIを個人で使えるのは、患者さんに直接関わらない仕事

看護師がAIを個人で使えるのは、調べものや書類づくりなど、患者さんに直接関わらない仕事です。
個人で使うAIには患者さんの情報を入れられないため、患者さんに関わる記録や判断には使えません。

区分仕事の例
使える仕事調べもの・勉強、研修の記録、看護基準・看護手順づくり、看護研究のスライド・レポート
使えない仕事カルテの記録、患者さんの経過のまとめ、申し送り、患者さんに関わる判断

ここでいうAIは、ChatGPTやClaudeのように、個人のパソコンやスマホで使うAIです。
病院が導入する記録システムなどのAIとは別の話です。

現役看護師の私が実際にやっているAI活用例6つ

現役看護師の私が実際にやっているAI活用例6つ
  • わからないことを調べる
  • 急変シミュレーションの振り返りシートを記入する
  • 看護手順のフローチャートや看護基準をつくる
  • 看護研究のスライドやレポートの下書きをつくる
  • アクションプランの個人目標を整理する
  • 勉強会で使う心電図モニターのアプリをつくる

上記の6つが、私が実際に仕事でAIを使っている場面です。
どの作業も、下書きや整理はAIに任せ、最後の確認は自分でしています。

①わからないことを調べる

検索して記事を探して読む手間がなく、知りたいことを入れるだけで答えが返ってくるため、わからないことをわかるまでAIに聞き直して調べています。

説明が難しくも、「もっと簡単な言葉で説明して」と頼めば表現をやさしく言い直してくれます。
理解できるまで何度でも聞き直せるため、調べものがずっと楽になりました。

②急変シミュレーションの振り返りシートを記入する

急変シミュレーションの振り返りシートをAIが代わりに記載してくれるため、記入時間が30分以上から10分程度になりました。

やり方は、まず参加者に許可をもらってから、研修後の話し合いを録音します。
その録音とシートの様式をAIに渡すと、項目ごとに記入してくれます。

研修のあとの記録は、AIに任せやすい作業です。

③看護手順のフローチャートや看護基準をつくる

看護手順のフローチャートや看護基準はとても時間がかかる作業でしたが、AIを使うことで、作業の効率が信じられないほど上がりました。

看護基準をつくるときは、参考にする資料と、基準に入れたい内容をAIに入力します。
参考にしたいエビデンスがあれば、それも一緒に入れます。

形を整えるのはAIで、中身が現場に合っているかを確かめるのは自分です。

④看護研究のスライドやレポートの下書きをつくる

看護研究のスライドやレポートの下書きをAIに任せて、作業時間を何時間も減らしました。
白紙からつくるのではなく、AIがつくったたたき台を直すだけで済みます。

看護研究のスライドは、抄録をそのまま貼り「スライドにして」と頼むだけで、あっという間に70点くらいのものができあがりました。

レポートも、ある程度の文章はAIが書いてくれますが、「書いて」と頼むだけでは不十分です。
ポイントは、学んだ内容に対する課題をAIにインタビューしてもらうこと。

すると、なかなかいい感じの内容になるため、あとは自分で見直して仕上げます。

⑤アクションプランの個人目標を整理する

部署のアクションプランで個人目標を立てるときに、AIを壁打ちの相手に使いました。

特に役立ったのは、KGI(最終的な目標)が目的に合っているか、KPI(途中経過の目標)がKGIにつながっているかの確認です。
たとえば「アクシデントをゼロにする」のような目標は、何をもって達成とするかを決めにくいものです。

AIとの壁打ちで、質の高い目標を、より早くつくれました。

⑥勉強会で使う心電図モニターのアプリをつくる

私は非エンジニアですが、勉強会で使う心電図モニターのアプリをAIでつくりました。

研修用に自作した心電図モニターのアプリの画面
研修用に自作した心電図モニターのアプリ。

画面には心電図の波形や、心拍数・SpO2などの数字が表示され、アラーム音も鳴ります。
指導する側が数字や波形を変えられるため、「急に状態が悪くなった」場面を研修で再現でき、シミュレーション研修の質が上がります。

看護師がAIを使うメリットは、書類や資料づくりの時間が減ること

看護師がAIを使うメリットは、書類や資料づくりの時間が減ること

看護師がAIを使ういちばんのメリットは、書類や資料づくりにかかる時間が減ることです。
AIがたたき台をつくり、自分は確認と仕上げをするだけになります。

作業内容AIを使う前AIを使ったあと
急変シミュレーションの振り返りシート手書きで30分以上10分程度
看護研究のスライド何時間もかかっていた抄録を貼るだけで60点の下書きができる
調べものキーワードで記事を探して読む聞けば答えが返ってくる

上の表のとおり、特に「文章を書く」「資料をつくる」作業で時間が減りました。
浮いた時間は自分の時間として使えることも大きなメリットです。

看護師がAIを使うときの注意点2つ

看護師がAIを使うときの注意点2つ
  • 患者さんの情報はAIに入れない
  • AIの答えは必ず自分で確認する

上記の2つが、私がAIを使うときに必ず守っていることです。
AIは便利ですが、使い方を間違えると、個人情報の漏えいや間違った判断につながります。

患者さんの情報はAIに入れない

看護師に限った話ではありませんが、AIを使うときは患者さんの情報を入れてはいけません。
AIに入力した個人情報は、AIの学習に使われるおそれがあると、国の個人情報保護委員会も注意を呼びかけています。
参考:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」2023年

AIの答えは必ず自分で確認する

AIは的外れな答えや、現実的には無理な内容を返すことがあるため、必ず内容を自分で確認します。

明らかに違う内容が返ってくることもあれば、文章がおかしかったり、論理が通っていなかったりすることもあります。
特に病気や薬の情報は、添付文書(PMDAの検索ページ)や診療ガイドライン(Minds)など、根拠となる資料で確かめましょう。

下書きをつくる係はAIで、判断するのは自分です。

看護師がAIを始めるなら、まずは調べものから

看護師がAIを始めるなら、まずは調べものから

看護師がこれからAIを使うなら、まずは何かを調べてみることから始めましょう。

答えがわかりにくければ、「もっと簡単な言葉で説明して」と聞き直してみてください。
最近一般的になってきたChatGPTをまずは使用し、慣れてきたらエージェント型AIと呼ばれるClaudeも試してみましょう。

使い分けは以下のとおりです。

  • ChatGPT:簡単な調べもの、日常の疑問
  • Claude:資料やアプリ作成など、パソコンでの作業を任せたいとき

何度でも聞き直せる便利さがわかると、仕事で使える場面も自然に見えてきます。

看護師のAI活用は、看護以外の作業を減らすことから始めよう

看護師のAI活用は、看護以外の書類や資料づくりを減らすことから始めるのが近道です。
私も急変シミュレーションの振り返りの記入が30分以上から10分程度になり、看護研究のスライドづくりの時間も大きく減りました。

一方で、AIは現場を知らないため、答えは必ず自分で確認する必要があります。
患者さんの情報を入れないことも、AIを使ううえで守りたいルールです。

AIは、患者さんと直接関わる看護のいちばん大事な部分には代われませんが、看護以外の作業を手伝ってくれる道具です。
まずは今日、気になっていることを1つ、ChatGPTで調べてみてください。

竹澤孝平のプロフィール画像

この記事を書いた人

竹澤孝平(たけざわ こうへい)

看護師歴10年以上|集中治療室勤務|病棟の医療安全担当|BLSインストラクター

病棟の医療安全担当として、インシデント報告の対応や再発防止策づくり、急変シミュレーションを担当しています。現場で経験したことを、悩んでいる若手看護師の役に立つ形で書いています。

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